もう一押しと確信し、あまり言いたくない言葉を俺は発した。
「それに、このままだとお前も里沙みたいに死ぬかもしれないぞ?」
俺の発言が耳に入った千恵は目を見開いて、口をポカーンと開けていた。目は点になり、どこか遠くを見ていた。
「は?え?な、なんで!?なんで私も矢野さんみたいに死なないといけないの!?」
「お前が見た"あの女の人"。俺が思うに女の人を見たのは里沙も見ていたと思うんだ。里沙は可笑しくなる前に窓の外を見て震えていた。もし、里沙の死因が女の人なら、見えてしまっているお前も同じ末路になる可能性が大きいんだ。」
千恵は目を大きく見開き「嘘でしょ?」と小声で何度も何度も呟いた。昨日の里沙に姿が重ねて見えて、今にでも発狂しそうな感じだ。
「だからな?千恵、一体お前に何が起きてるんだ?お前は何を見ているんだ?」
千恵は目線を下にやり、ギュッと握りこぶしを作って震えていた。
少しして決心がついたのか、カーテンが閉まりっきりの窓へ近付いてカーテンを自分が見える分だけ開けた。
だが、千恵が窓の外の景色を見るのはほんの一瞬で、スグに目を逸らした。
「...西条君。こっちに来て。」
俺は言われた通りに椅子から立ち上がって、千恵の隣に来た。



