「その前に、自分の方から質問いいですか?」


俺は野宮さんの言葉に被せるように質問を投げかけた。さっきまでの態度の軽い仕返しみたいな意味を込めてのことだ。野宮は、少し不思議そうな顔を浮かべた。


「ん?なんだい?言っておくけど、そんな詳細な事はペラペラと喋れないんだよね。」


「それくらいは重々知ってます。それより答えてください。里沙と吉永、千恵と敦はどうなったんですか?敦に関してはメールを送っても全然返ってこなくて....」


野宮は顎を手で触り、悩みながら答えた。


「ん〜....まぁこのくらいはいいよな。結果として言うと、矢野 里沙さんは死亡した。殴られた吉永 里優さんは生きてはいるが、まだ意識は戻っていない。意識を失っていた笹井 千恵さんと本澤 敦君は昨日中に意識を取り戻して、今は自宅待機中だろ。」


里沙が死んだ。想定した結果ではあったけど、結構衝撃的に感じられた。


「り、里沙は....里沙はあの時、倒れた後はまだ生きてたんですか?」


「それはこちらが質問しながら答えた方が都合がいいんだ。悪いけど、今度はこちら側が質問するね。
まず矢野 里沙さんとはどんな関係なんだい?」

「....ただのクラスメイトですよ。別にそこまでの接点はありません。」