あと少しで髪が整うという所でチャイムが家中に響いた。それが二回、三回も続いて少し乱れている髪で家の玄関を開いた。

すると、そこには身長が高めの男二人組が立っていた。一人はキリッとした人で、もう一人はベテランさんっといった感じだ。
ベテランさんは一歩前へ踏み出て、俺に声をかけてきた。


「西条...栄治君....だよね?」


「あぁ....はい。そうですけど....」


「どうしたんだその格好?今から出掛けるのかい?自宅待機の筈だと思うんだがね?」


「え?あっ....いや、少しコンビニまで行こうかなって思ってたんで....」


「ふーん、そうか。それならいいんだ。でも、あまり外へは出歩かない方がいいかな?それじゃあ自宅待機に意味が無いからね。」


まるで小学生を相手している先生のようなトーンで話し掛けられ、少しムッとした。
ベテランの人はどこか俺を下目で見ながら話している気しかしなかった。


「あっ!そうだったそうだった。まだ自己紹介をしてなかったね。どうも捜査一課の野宮です。そしてこっちのやつは坂目です。
単刀直入に言うけど、今回は昨日の事について聞き込みをしたいんだけど、時間空いてるよね?」


「ま、まぁ....」


「そうか。それは良かった。じゃあいくつか質問していけど...まず」