するとそこで四人の女子が横からステージ中央に向かって歩き始めた。それは里沙と千恵、そして吉永とクラス一馬鹿の月璃だった。
物語の構成としては、暇な四人が何をしようかと迷っている時、ダンスや漫才などのパフォーマンスを思い描き、頭の中で想像しているパフォーマンスを実際やってみようというもの。
まず最初は千恵の台詞なのだが、案の定今でもガチガチだ。
「あ、あ、あぁぁあ〜。暇....あっ....な、何か暇だなー。学園祭まで、........えっと....も、もう少しなのにー」
見事な棒セリフ。観客からはクスクスと笑い声が聞こえ、「可愛いよー!!」とか「頑張れー!」など三年生からの声援があり、千恵は顔を真っ赤にしながら小さく一礼した。
そこで里沙は挽回してくれた。
「そうだよね!津地先生に"発表何するか決めなさい!じゃないと補習ね!"って言われたけど、そんなポンポン思いつく事じゃないのに....」
「そうそう!私なんて静一先生に相談したら「....まぁ頑張って」の一言だからね!本当にありえない!」
里沙と吉永の自然な会話に先生弄り、観客に受けない訳はなく、笑い声が聞こえる。それは千恵とは違って本当に楽しんでいるものだった。



