恐怖の渦の中


するとステージ上が一気に明るくなり、生徒会によるオープニングが執り行われた。生徒会も盛り上がっているのか、笑顔で大きい声で皆に呼び掛けていく。それに自ずと生徒又は来客の人達もそれに応えて、オープニングから熱気は最高潮に達した。
それから先生の話しやら宣言などをして、いよいよクラスごとの発表へと移った。

流れとしては一年・二年・三年といった流れで、学園祭初めての一年生からの発表だった。
中学時代の学園祭しか知らない一年生は多少きごちなさを覚えるも、去年の自分達がやった発表よりも完成度は高かった。

その発表を見て、二年生の列はざわつき始めるのは予想通りの結果だった。

一年生の発表を見終わるといよいよ二年生の番。しかも最初の発表だった。
俺らのクラスは体育館裏で衣装を着たまま集まった。勿論小道具や音響・照明の俺らは制服のままでの参加だった。
俺らは円になり、その真ん中には千恵が今にも倒れそうな顔色をしながらクラスのみんなに呼びかけた。
因みにこの千恵は正常。去年はこれより酷い顔色での参加だったが、終わった瞬間にいつもの肌色に戻っている。


「いい?皆。ここで良い印象を与えないと模擬店来てもらえなくなっちゃうし、得点的にも離されちゃう。...だから絶対にミスはダメだからね?ダメだからね?....」