クラスメイトの一人からそんな声が上がると、静一先生は表情を変えずに返答する。その姿は青山と被って見えてしまった。
「今日は学園祭何ですよ?先生達も色々する事があるので、前もった行動が大事になるんです。津地先生も行動しているので朝のHRには来れませんので、私が担当します。
じゃあ号令をお願い。」
昨日に引き続き青山が号令を掛け、そのまま淡々とHRが執り行われた。そして先生の指示に従い、俺らは必要な物を持って体育館に向かった。
皆ザワザワとしながら、とても楽しみな表情を浮かべていたが、俺は自分の仕事の照明の事しか気にしていなかった。大事な場面で間違えると色々と面倒になるので、その事だけで今日を楽しもうとは正直思わなかった。
昨日より暗闇に染まった体育館に入ると、薄らと見えるシルエットと喋り声でどれくらい人がいるか把握した。
中々生徒は集まっており、息のしづらさを実感しながら、先生に誘導されながらも自分の席に座った。
体育館はストーブを付けてはいたがとても寒く、室内なのに白い息が出るのがわかった。隣にいる永島に関しては身体を震わし、極寒の地にいるかのような仕草をしていた。
それから暫くして生徒が体育館に入ってくる様子も段々消えていき、体育館内のザワつきが増えていく一方だった。



