恐怖の渦の中


敦の言葉を聞いた青山は、目を見開いた。そしてその直後に、固まっていた表情も緩くなってるいった。


「はっ。面白い事言うね。今この時点で強い口調を使ってるのは俺だけじゃないだろ?今の言葉は全部自分が言われても可笑しくないけどな〜。」


「...なんだと....?」


「なんだよ。俺はこういう性格なのは分かってるはずだろ?何でそこまで突っかかってくるんだ?」


そう。青山はいつもどこか上から目線で、人を馬鹿にしてそうな態度を取ってくる。このような台詞を吐くのは日常茶飯事だった。
だが、彼にクラスからの悪口だったりいじめをする事は無かった。それは何故か、元々ここのクラスにはそういう類の人間はいないのもあるが、青山が本気になったら何があるかどうか怖いのもあると思う。

一年間、もう学校にはいないが、青山にイラつきを覚えた別クラスの男子数名が青山に向かって暴力をふった。
その男子数名は、そのクラスのいじめられっ子をからかっている時にたまたま通りかかった青山に言われたことが気に食わなかったらしい。

そしてその翌日、彼らはいじめ問題で退学になった。
彼らは学校を去る時にこう言ったという。

「"全部青山のせいだ!!"」