その至福をまた味わうために、ついついガツガツと食べてしまうのだ。
そのシチューに独占された頭の中である事をハッと気付いて、俺はテーブルの端に置かれているリモコンを手に取り、勝手にテレビのチャンネルを変えた。
「あっー!まだ途中なのになんで変えてんの!」
「ルールだろ真衣。食事以外はお前が優先的だが、食事の時は俺が優先だって決めただろ?許可を取りたかったら事前に言わないといけないってのも決まってる筈だが?」
「....だからって急に消す事ないじゃん。」
真衣は頬を膨らませると、シチューに怒りをぶつけるようにヤケ食いをし始めた。
そんな真衣を俺は見なかったことにして、テレビに映し出された司会二人のトークをみていた。
今俺が見ている番組は都市伝説の番組だ。スタッフが見つけたり、番組に送ってきた視聴者の中で有力そうな話を取り上げて、それをドラマ風に再現をして視聴者を夢中にさせてくれる。
本を読んでいる分、奇妙な物語を見ると妙に食いついてしまうし、番組全体の雰囲気や取り上げる都市伝説が非常に興味深い物が多いのでとても気に入っている番組だ。
番組のMCの通称"よっちゃん"と"竹蔵"さんがopトークをしている。



