「栄治、学園祭が明日らしいな。どうだ?上手くいきそうか?」
「どうだろうね。まぁ俺らのクラスにはちゃんとした奴もいるから、そこまで心配するようなことを無いと思う。」
「そうか。学園祭が休日にやって貰えれば見に行けるんだがな....一回でもいいからお前の所の学園祭は見てみたいもんだ。」
「そんな大した事はやらないよ。真衣の方の学園祭の方が評判良いし、一回真衣の方の学園祭を見た父さんにとって退屈だと思うな。」
「そうだよ!兄ちゃんのへっぽこ学園祭より真衣の方が絶対に楽しいもん。」
口周りにポテチのカスをくっつけながらそんな事を言い始めた真衣に対して、俺は「うるせぇぞ」と一言言ったあとは何も無かったように視線を父さんに向けた。
父さんは少し微笑みながら、コーヒーを飲んだ。
「まぁ退屈とかそんなの関係無しに、一度はお前の学校生活の姿を見てみたいもんだ。母さんもそう思ったりしなかったか?」
「そうね。三者懇談とかくらいしか学校には行かないし、本当にチラッとしか見なかったからね..栄治が進路をどうするであれ、高校生としての栄治はあと半分だからねぇ....」
母さんは作り立ての料理を大きい皿に盛り付けると、慣れた手つきで持ってきて、テーブルに綺麗に並べていった。



