私が叫び声を上げるのと同時に、肉がちぎれる音は止まり、血が勢い良く噴射され、静一先生の頭はぱっくりと割れた。
ブシャーッ!
その割れた中からは血だけでなく、色々な肉片、脳みそまでずる落ちてきた。
私はこみ上げてきた胃液を抑えるので精一杯だった。
静一先生はユラユラと身体を二、三回揺らすとそのまま力無く倒れた。
テレビの画面から目を背け、隣を見るとお父さんが吐いているのが見えた。お父さんは根は臆病、そんなお父さんにはキツすぎる映像だった。
「うう...ゲホゲホ....い、今のは何なんだ?人の頭が...ぱっくり....オェ...」
私は言葉を発せなかった。喋るだけで吐きそうだったからだ。脳裏に染み込んだ静一先生の死に方、私は忘れることが出来ない。それ程衝撃的なことだった....
「うう...ま、真衣。大丈夫....ヒッ!お前誰だ!?いつからそこにいたんだ!!」
「お父さん?」
「こ、ここは俺の家だ!不法侵入だぞ!?警察へ訴えてやる!!」
お父さんはテレビを見ながら腰を抜かしていた。あまりの恐怖に幻覚を見てしまったのだろう。
「お父さん、しっかりして。そこには誰もいな...」
お父さんに近寄った私は体が硬直した。それは視界に居るはずもない人が映り込んでいたからだ。