そう叫び声を上げるとスタッフの人が画面端から出てきて、静一先生を抑えようと近寄ってきた。
静一先生は取り囲まれた...と思った時、一気にスタッフは静一先生から離れた。
静一先生は手に拳銃を持っていて、ニュースキャスターの頭の横に置いた。
「おい!そこのお前!カメラ止めるな。止めたらこの女を殺す。スマホで確認しているからな。」
「こ、こんなの嘘に決まってるでしょ!?玩具か何かよ!さっさと助けてよ!」
「へぇ?これが玩具だと思うんだ。結構顔の割には度胸が据わっているねお姉さん。」
そう言うと静一先生は拳銃を後ろの人達、見に来ている人達に銃口を向けた。
バァンッ!!
まるで映画を見ているかのようなリアルな発砲音、静一先生が発砲した弾丸は小さい男の子のお腹に命中した。
「か、海ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
海という男の子はお腹から血を吹き出し、目は閉じたままだった。母親は涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら抱き締めていた。
場が騒然となって、悲鳴と叫び声で満たされ、人が現場から走って逃げていた。
「おい!カメラマン!!逃げないで構えろ!!この女を見殺しにしたいのか!?」
銃を撃つ前と今ではまるで言葉の重みが違う。さっきまで怖がっていたが、同時に強がっていたキャスターも涙を流しながら叫んでいた。



