お母さんはまだ部屋にこもっていた。兄ちゃんが事故に遭ったと知って、行方が分からなくなる前に会ったのに止めれなかった事に責任を感じて、まるで今ではセミの抜け殻状態。息することと、食べることしかしていなかった。

お父さんもお父さんで大変だった。お母さんがこもってからは家事や洗濯もやらないといけない。事件の事もあり、上司からは嫌な仕事を任せられたり、不条理な事を言われることもあるとか無いとか。


私は早く兄ちゃんが見つかることを祈りたい。そして殴りたい。私たちにこんな迷惑をかけたお兄ちゃんを殴られずにはいられない。
そして何でこうなったのか、ちゃんとした理由を聞きずにもいられなかった。

私はお父さんが消したテレビをもう一度付けて、別のチャンネルへと変えた。
それはさっきのニュース関連では同じだが、どちらかと言うとかしこまらず、明るいと言った感じ。

今はライブで外の天気を知らせていた。後にはマスコットキャラクターと何人かの人が集まっていた。


「はぁい!こちらは〇〇市となっています!現在は曇りで日が無いんですけども、今日は雨の心配はないので、過ごしやすい一日となっています!」


明るくニュースキャスターが話していて、後ろの人達も笑顔を絶やさずに笑って現場を明るくさせようとしていた。