白い器に白いご飯、そして白く野菜の色を包み込んでいるシチューのルー。ほぼ白一色の食事が目の前にあった。
スプーンを手に取り、ご飯と一緒に一口食べた。大好物の筈なのに美味しくない。作り手が悪いのか、それとも今この現状が不味くさせているのか分からない。

視界に映ったリモコンを手に取り、少し離れた位置にあるテレビに向けて電源ボタンを入れる。
テレビは電源がつくと丁度朝のニュースが放送されていた。
ニュースキャスターが一人、カメラ目線で紙を一枚持ちながら話していた。


「あの事件から一週間、一クラスが消滅してしまった事件。未だ解決には至っていません。
六人の行方不明者と二十八人の死亡者が出て、生き残っていのは一名。この悲惨な事件は警察も総動員で捜査を行っているとのことです。行方不明者は西条 栄治君、斐川 加奈さん、吉永 理優さん 永島 長富君、千田 和一さん、静一 享さんの以上六名です。もし見掛けたのなら警察へ連絡するようご協力お願いします。

ここで事件の状況をもう一度振り」


ブツっ


話途中で急に画面が真っ暗になった。


「...やめなさい。食事中にも聞きたくはない....」


そう言った父さんは自分が作ったシチューを口に運びながら、顔色悪くして新聞を見つめていた。