そのまま私はコンクリートの地面を見つめながらも転ばないように注意深く歩いた。歩きながらもさっきしてしまった行いに罪悪感を感じていた。流石にあんな言い草であんな出かたをしてしまったのはやり過ぎた。
私の抱えている悩みが完璧に取り除けたのならしっかり謝りに行かないと....
私はため息を吐きつつ思わず顔を上げそうになり、慌ててまた地面へと視線をやった。
危ない危ない。うっかり顔上げちゃう所だった。......もうあんなの見たくない....
私を縛る呪縛は私にトラウマを植え付けてくるまで強力なもので、夕方の中一人で寒くのもないのにブルブルと震えながら歩いていく。
今度はどれ位の位置にいるか、そんなの知りたくもなかった。思いもよらない場所にいた時の心臓の締め付けようは、まるで心臓を握られたような感じがする。
プーッ!!キキィッ!!!
車のクラクションとブレーキ音が眠っているような静かな町を一瞬で起こした。その突然の音と出来事で私はハッと反応する。
どうやら自転車を乗っている中年の男性を車に乗ってる若い男性が怒りを露わにして怒鳴っていた。
「てめぇクソジジイが!!何処に目付いてんだよカス!!もう一回人生やり直してこいよゴミ野郎が!!」
「す、すいません。すいません。」



