鬣犬は最後に"逃げられない"と言ったそうだな?つまり呪いのことを知っている。なら、解く方法も知っているに違いない!!」
和一先生は荒れる呼吸を整え、冷静さを保った。再びベットに座り、更にもう一本口にくわえた。
「...だが屋敷には罠がある。あれは敦君一人では無理。だからその対策も考えなければいけない。そう考えると時間が無いんだ。だから、対象者を全員殺す事にした。そうすれば一旦は幕引き出来る。俺が頭を悩ませる時にあのままじゃあ、何処まで呪いが広がるか分からないからな....」
和一先生が許せない。合理的に物事を進める、その為には犠牲は厭わない、そんな考えは尚更だ。だが、少し納得してしまった自分がいた。
クラスメイトを殺されたのに関わらず、それが一番安全っと共感してしまった。
和一先生は白い雲を頭上で作りながら、ため息を吐く。
「...ふぅ....今回は収穫は出かかったが、やはり支出も凄かった。潤平君と君に上げた銃だって裏から仕入れたもの。斐川さんには元々俺に借りがある医者に更に報酬金を出して、俺が強盗で斐川さんを連れ帰ったということにしてもらった。
思ったより金はかかったが...鬣犬を殺せるなら問題ない。」
「じ、じゃあ加奈がここにいるのは」



