そんな事を大体表情を見て察したのか、和一先生は話し始めた。
「分からないか....
もう一つの法則であり君達の共通点、それは..."恐怖"だ。」
「...恐怖?」
「恐怖を覚えたのが君達の共通点。あの鬣犬に、あの死亡現場の状況に少なからず恐怖を感じたことだ。
俺が思うに鬣犬や死亡現場を見る事は大前提、言わば電流。そこに恐怖というスイッチが付くことにより呪いはかかるんだ。」
「そんな事....なんで分かるんだ?そうとは限らないだろ。鬣犬を見るだけがスイッチなんじゃ」
「俺もそう思っていた。だが違う。それが三つ目の大発見。敦君の存在だ。」
「敦が?恐怖してなかっただと?」
「そう!敦君は想い人である矢野さんの死亡現場を見たにも関わらずだ!!恐らく恐怖ではなく放心状態か悲しみ、ショックの方が勝ったのだろう。そしてそれは憎しみへと変わり、恐怖とは真反対、いわば恐怖を殺す感情を抱いたんだ。
だから彼だけ屋敷に何の雰囲気も持てなかったし、恐怖を求める鬣犬に有効な攻撃が出来た!!
栄治君、君は鬣犬に怖いかどうか聞かれたそうだね。そして君の返答に喜んでいた。考えてみれば分かることだ。」



