「....理沙の死を聞いたからじゃないか?死に方だって同じだ...」
「違うんだよなぁ。死に方は伏せられてた。もっと根本的な所で俺は知ったんだよ。」
意味が分からなかった。和一先生がそれ以外で俺達の中に対象者がいると見抜く理由が分からなかった。
「....君達が今回、巻き込まれたのは矢野 理沙が呪いを受けたから。じゃあ何で呪いを受けたのか?原因を作り出したのは?」
そこで俺はハッとする。
「...まさか」
「うん。矢野 理沙が下校時に丁度目撃してしまった女の死亡現場、その女は俺が利用して、呪いにかかって死んだ。
つまり、俺がいたから君達は巻き込まれたんだ。」
元凶は鬣犬、だがその世界に連れてこられたのはたった一人の男の都合によってと知り、どうしようもない怒りがこみ上げた。
「....お前の都合で...お前の都合だけのために!何人死んだと思ってんだ!!俺達の日常を返せ!!」
「おいおい。俺だってやりたくてやった訳じゃない。これは完璧な誤算、お前らには悪いと思ってるんだ。
その時、呪いの法則が分かっていたが、肝心の目的とか呪いの発生源を調べられてなかった。場所は分かっていたが、呪いってのは既に俺達の理解出来る範囲のことじゃない。



