恐怖の渦の中


サイトの七ヶ月、仁のと被る三日間は七十時間。俺が利用した女は七十分。だからいずれにしても七で統一されているんだ。

潤平君から聞いた鬣犬の位置的、時間の法則で俺は七時間とみたんだ。
だから、今君の状況は一週間でいう六日目か七日目の最後の時の直前位置、鬣犬が姿を消している時だ。」


和一先生は得意げに話しながら、煙草を俺の目の前で上下に振りながら話し続けた。


「そしてその時間の設定だが、俺の予想だ。これは鬣犬が抱いた憎しみによって変動する。そしてこれは呪いが移れば移るほど効力は長くなっていく。
だがその場合仁は何で七十時間という枠に入ったのか...それは鬣犬があの姿になったばかりだったということにしてる。実際君達のやった行為だってもっと早いはずなのだが、敦君のおかげだろう。敦君の一撃で呪いの効果は少しながらも薄まったと見ている。

あと七ヶ月と七年間についてだが、そいつらはあの事件に関わった警察官。仁から始まりどんどん効力が薄まり、結果七年間という歳月になったということだ。」


「じゃあ....七十分は?あんたが利用した女って...」


その事について触れると、和一先生は顔を顰めた。地面に煙草を押し当て、火を消すともう一本をスーツの裏ポケから取り出す。


「栄治君、何で俺が君たちのことを嗅ぎつけたと思う?今まで面識無かったのになんでこんな良いタイミングで学校へ行ったと思う?」