「お前だけだ、俺の話を信用してくれて心配してくれたのは....やっぱお前って最高だわ。」
その一言で俺は嫌な想像しか出来なかった。俺は必死に仁を説得しようとした。
「な、何言ってんだこんな時に。馬鹿な事を考えてんならやめろ!話ならいくらでも乗ってやるし、一緒に解決して見せるから!」
「職場の人も他の友達、親さえ信じてくれなかったのにお前だけは....ありがとう。ありがとう。ありがどぉ!?」
「じ、仁?」
仁からの返事はない。最後の言葉があまりにも異常で、俺は息を呑んでいた。
プッ...プチプチ....プシャー!
何かがちぎれる音、そして液体が勢いよく飛び出す音が聞こえたのと同時に仁の声が聞こえた。
「グアああぁぁあぁぁ!!!痛いいいいいいいい!!し、死ぬ!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」
「仁!どうした!!何があったんだ!!しっかりしろ!おい!!」
電話越しにいる俺はまるで無力、声をかけることしか出来ない。新手の拷問、俺にとっては自分自身が傷付けられるより辛いものだった。
「あり...がどう....カズ...ガッ!和一いいいいいいいいいいいい痛いいいいい!!!」
「じ、仁んんんんん!!!」
「ありがどう!ありがどう!!ありが!ありが!ありありがどうヴヴヴヴヴヴ!!!」
それを最後に仁の言葉を聞くことは無かった。



