「助けてくれ和一!俺、このままじゃ死んじまう!!」
突然の危機迫った声に俺は動揺を隠せなかった。仁はこんなつまらない嘘は付いたことがないし、電話越しに聞こえる息の荒さ、切羽詰まったような勢いが嘘ではないと確信した。
「ど、どうしたんだ仁?何でお前が死ぬんだ?状況を説明してくれ!」
「あぁ...俺、仕事で泉岡村へ行ったんだよ...そしたら同僚の叫び声が聞こえて大慌てである屋敷に向かったんだ...そしたら、変な女の人に襲われてて....俺...危ないって思って....警告もしないで撃っちゃったんだよ...」
仁は震える声で話してくれた。俺は話の先が読めず、疑問を覚えながら話を進めた。
「それはしょうがないんじゃないか?襲われてたんだから助けた、お前は正しい事をした。だから大丈夫、誰もお前を責めたりなんか」
「違う!そうじゃない!!殺した女の人が俺の目の前にずっと現れてくるんだ!飯食べてる時も風呂も....遂には起きる時だって...
さっきまでは消えてたんだけど、今になって急に現れたんだ!!俺どうすりゃあいい!?」
「お、落ち着け!な?落ち着けって。考える。俺も考えてみるから。」
ここまで仁が荒れたことは無かったから、結構戸惑った。カウンセラーとしての実力は全く出せていなかった。
「...ありがとう和一。」
「は?」



