だが、自殺覚悟をされたらそれも無理、そんな事をしたら、いずれにしろ俺だけが死ぬ。
「....俺はここで死ぬ訳には行かない....俺は諦めない。呪いを根本から消す、鬣犬を倒す。敦も加奈も死なせない。家族を置いて死ぬことなんて出来ねぇ!!」
「.......悔しいよな。ここまで頑張ったのに...苦しかったよな?今、楽にしてやるよ。」
青山はそう呟くと、引き金に力を入れ始めた。それを見て、俺は限界と感じた。
後ろで握っているショットガンを瞬時に青山に向けた。ソードオフ・ショットガンは短距離専門、こちらの方が素早く動かせるし狙いも定めやすい。
青山は俺が持っていたショットガンに驚きを隠せていなかった。俺が銃口を向けるのが遅かった、本来なら負ける勝負、だが青山が驚いたおかげでそのハンデは帳消しになった事を俺は知らない。
俺達はお互い引き金を引いた。
二つの爆音が小屋の中に響いた。
耳の鼓膜が爆音で破裂寸前、意識も失いそうになる。
そして発砲の衝撃は凄まじいもので、俺は後ろの柱に叩きつけられ、青山は後ろへ大きく飛んだ。
同時に俺は左の脇から横腹に掛けて激しい痛みを感じた。
痛過ぎて熱い、まるで真っ赤になった石炭で押し当てられているようだ。



