青山の口調からして、青山は自分が圧倒的な位置にいると信じて疑っていない。隙だらけだった。
「....じゃあお前は"何も手出しができない"この俺を殺すのか?その銃で....」
「あぁ。悪いがそういうことになるな。」
俺の脳に電流が走る。まるで落雷が落ちたかのような衝撃的な気付き。青山もまた騙されている、和一先生に。
和一先生の言う"徹底的"には青山自身も含まれていた。
ここで相討ちをさせるのが狙いと、このショットガンが物語っていた。
俺は悔しくて涙が出てきた。俺達はただ、呪いを解いて皆を、自分を助けたかった。それだけを望んでここまで頑張ってきた。思考を練り、汗と涙と血を流しながら必死に。
なのにそれが全て台無しにされている気分になった。
「そんなに涙流しても結果は変わらない。俺だって嫌さ、お前を殺すのは。だけど...仕方がないんだよ。」
そう言って青山は俺に銃口を向けた。
「青山....殺すのは間違ってる...鬣犬を何とかすればこんな事しなくてもいいだろ!違うかぁ!?」
「何とか出来ないから俺達はここにいる!!皆死んだ!お前も分かってんだろ?鬣犬は殺せない。敦は何とかしてくれるような雰囲気出していたが、アイツが何か頭を使うタイプとは思えない。持って生まれた才能のようなものだろう。



