恐怖の渦の中


そういえば、ここに来たのは急で、消音するのを忘れていた。

すぐに音を無くし、携帯画面を見ると、知らない番号から電話がかかってきた。

俺は静一先生に一礼すると病室を出て、廊下で電話に出た。


「....も、もしもし...西条ですけど....」



「あぁ!栄治君!無事だったか!!今何処にいる!?」



この声の主はすぐに分かった。和一先生だ。


「か、和一先生。えぇ、俺は無事なんすけど....加奈と敦が意識失ってて...あっ、今病院にいます。」


「そうか....ってそうじゃない!栄治君、潤平君から連絡来たか?」



「連絡?」



俺はスマホを耳から離し、少しだけ画面操作すると、青山から電話がかかっているのが分かった。
時間的には事故後、俺がおそらく救急車で運ばれてる時だ。


「あぁ、電話かかってきたらしいですけど、その時は多分救急車の中で出れなかったんですよ。」


「やっぱり...」


和一先生の様子がおかしいので、嫌な予感がぷんぷんしていた。何か焦っているように感じる。


「あの....青山に何かあったんですか?」


「潤平君"に"じゃない。潤平君"が"だ。その電話に出なくて正解だったぞ栄治君。」