恐怖の渦の中



「は?...どういうことだ?」



「フフフフフ....あんた達は逃げられない....あんた達の命は私の手の中....フフフフフフフフフフ。精々、恐怖の渦の中に呑まれながら死ね!!」


そう言うと鬣犬は坂目さんの背中をグッと持ち、更に深く突き刺した。


「て、てめぇ!!!」


敦が青山に肩を貸しながらも、戦おうと向かったが、それよりも早く鬣犬は坂目さんを屋敷内に入れて、ドアを閉め、鍵を占めたのだ。



「クソッ!!....坂目さん....」


敦は怒りを顕にし、古びた門を更に蹴り飛ばした。

俺は考えた。何故坂目さんと青山と鬣犬が見える位置が違うのか....そう考え、最悪の答えに辿り着くのはそう時間は掛からなかった。


「まさか...お、おい加奈。お前、鬣犬が見えたりするか?指さして見てくれ。」


俺がそう言うと、加奈は弱々しく俺達とは違う別の民家の屋根の上を指差した。
俺の予想は的中したのだと確信した。


「青山....最悪だ...」


「あぁ....クソッ...吉永も、坂目さんも野宮さんも....長富も....」


「違う!....俺たちのことだ。」


「あ?どういうことだ?」


「....俺達は多分呪われた。理沙や千恵、月璃と長富が受けた呪い....死の呪いが....」