あんた達の中から一人選んで。その人は私と一緒についてきてもらってぇ〜やって欲しいことがあるんだ〜。
後の二人は...そのまま帰っていいよォ〜。」
鬣犬のこの急な頼み、俺は疑いしかなかった。
だが、ここで鬣犬と戦って三人揃って脱出なんて到底無理だ。俺は嘘かもしれないがそれに賭けることしか出来ないと確信した。
俺は加奈を優しく床へ倒すと立ち上がった。
「ま、待て西条。俺が行く。俺は足をやられてるがお前は何も無い。だから眼鏡を連れていけんのはお前だけなんだよ。」
「....青山、悪い。俺が行く。俺は目の前で助けることが出来なさすぎた。理沙、千恵、月璃、長富、野宮さん、吉永...そして加奈。俺は....もう誰かが目の前で苦しんで、傷付く姿をもう....見たくねぇんだ。」
「そ、そんなの俺も一緒だ!ふざけんな!そんなんだったら俺が行った方がいいに決まってんだろ!?西条!!」
俺は青山の言葉を無視して鬣犬の目の前に立った。鬣犬は相変わらず余裕の表情、ニヤニヤと下目で見てくる。
「俺が行く。約束通り、二人は逃がしてくれるんだろうな?」
「うん、約束だよォ〜。それにぃ〜君だって私のお願いさえ叶えてくれれば助けてあげるよぉ〜。」
「分かった。その前に青山のトラバサミを解除してくれないか?頼む。」



