吉永の言葉は第三者である俺が聞いても少しキツめだと思うし、答えずらいことでもあった。
案の定千恵は困っていた。
「そんな!...やらせたがらないって事じゃなくて...」
「じゃあ何なの?他に何が引っかかってやらしてあげないの?言っておくけど、千恵だけの発表会じゃなくてクラス皆の発表会なのよ?」
「そうよ!里沙は勇気を出してるの!邪魔しないでよ!」
段々と言葉がエスカレートしていき、悪口にしか聞こえなくなってしまっているのは俺だけの気のせいなのか?
吉永と隣にいた女子が攻撃を仕掛けたのがきっかけで、里沙の周りにいた女子が全員で里沙を守り、そして千恵を攻撃し始めた。
千恵の心はズタボロ。千恵は里沙の事を思って言ったのであろうことが、ここまで酷くなるとは思ってもみなかったのだろう。少し泣きそうでもあった。
「み、皆!やめて!!千恵は私を心配してくれただけなの!!落ち着いてよ!」
里沙はアタフタしながらも周りの護衛隊を何とか落ち着けた。すると、俺のすぐ隣では鼻の下伸ばしてニヤニヤとしている「可愛いなぁ」とボソッと呟くキモい敦が目に映る。



