逆に言えばこんな事に気付いてしまった俺は、敦の言う通り人間性が少し欠けているのかもしれない。


すると後頭部から鋭い痛みが走った。俺はその勢いに逆らえず、思いっ切りおでこが机に激突した。


「おい栄治。何チラチラ里沙ちゃんのこと見てんだよ。もし下心あったら俺がその性根叩き潰してやるからな。」


冷たく鋭い声でボソッと耳元で話し掛けてきた敦。本来、ここで下心があったのなら身震いするような場面だが、生憎俺は下心何て全く無いし、逆に推測で殴られた怒りが込み上げてきた。


「ってめぇ..!!.....はぁ。何もねぇよ。ただまだ休んでた方がいいんじゃないのか?って思っただけだ。」


「あ?何でそう思うんだ?」



「前みたいな元気がねぇし、何処と無く控えめだ。学園祭だからって無理してねぇのかな?って思わねぇのか?」


「うーん...確かにな。だけど、もし今回の件がトラウマになったのなら、それを少しでも忘れる為に参加したんじゃないのか?
あぁ...でもお前の言うことにも一理あるんだよなぁ〜」


敦は頭を机に擦り付けながら必死に悩んでいた。
俺は敦が推測で殴った事を謝らない事に怒りを感じていた。