恐怖の渦の中


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題名:実験開始から十七年

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前回の記事からだいぶ経つが、普通の子供のように育っている。
(これまでの実験データの細かいものは別ファイルに保存してあります。)

普通に飯を食べ、学問をし、楽しく会話もしたりしている。だが大きくなったからこそ外へは出せない。どうしてもβの光景が出てくる。彼女はもう普通の高校生では得られない身体能力と、野生に満ちたどう猛さがある。

もし、檻から出たら私達はたちまち殺されてしまうことだろう。


彼女の檻にまだ生きてる人間をこの前試しに入れてみたが、すぐに仕留めて見せた。相手は成人男性の若いやつだ。五~六歳離れているにも関わらず、すぐに喉を引っ掻き、首元へかぶりついたと思ったら、そのまま噛みちぎる始末。まるで猛獣のようだった。


そして食事にも遊びが出てきた。食事である人間を弱らせ、食べずにじっと見つめ続けたり、両足をへし折って折れた部分をつついたりなど遊んでいた。


同種喰らいしかしていない彼女の能力は未知数だが、それも徐々に明らかになっているだろう。
最初こそ厳しいが、慣れていけば同種喰らいで人間の能力も比較的上がる可能性があることが証明された。