「分からない。だけど、行くしかないだろ?」
俺はそう言うと、地下道に足を踏み入れた。靴がコンクリートに当たる音が響き渡り、その音は奥の方へと消えていく。
大きく唾を飲み、スマホの光で足元を映しながらまた一歩、また一歩と足を運ばせた。
身体、特に足元には冷たい風がスウッと俺の足を撫でるように流れ、まるで弄ばれている感じがして気分すら悪くなってきた。
真っ暗な先を照らしても何も見えない。後ろからちゃんと付いてきているのが分かるが、俺は孤独に感じていた。
しばらくゆっくりと降りていくと、ようやく真っ暗の洞窟を抜けたように、さっきまで見えなかった先がとても傷んでいるコンクリートの床が見えた。
やっと下に降りれたという達成感と共に、その地下室の臭いが俺の鼻を刺激し、すぐに片手で鼻を抑えた。
「ぐっ....なんだこれ?なんの臭いだ?臭すぎる...」
まるで生ゴミを数ヶ月放置した臭いがした。頭をふらつかせ、吐き気を催すあの臭いがきた。シュートストレミングという世界一臭い食べ物があるというが、嗅いだことはないがあれに負けない程のものと確信していた。
後ろの三人もその臭いに反応して、全員が手で鼻を抑えていた。
しかし、加奈には衝撃的すぎるのか、両手で抑えながら座り込んでいた。



