恐怖の渦の中



今のは誰かが"裸足で歩いた"音だ。だが、こんなところに裸足で来る人間はいないし、そもそもここはホコリだらけ。
俺の脳が危険信号を発しているのが分かる。
そんなの...."女の人"以外ありえないのだった。

背筋がゾクゾクっとなり、一気に呼吸が荒くなっていく。

俺達はゆっくりとその音の場所へ向かって足を進めた。
音は食事場の奥、俺が右の方の部屋を調べたその逆の左の部屋から聞こえてきていた。

恐る恐るその扉を開くと、何も無いただの一室。言わいる空き部屋というやつだった。
だが、暖炉もあり上には花瓶が何個か並んでいた。


「....なんなんだったんだ?今の足音...」


「分からねぇ....けど、足跡はちゃんと二人分あるな。ここの部屋は俺が探索したから分かる。ホコリだらけの床には俺の足跡の他に、素足の足跡がある。」


そう、ホコリの床に映し出されていたのは、靴の足跡と指がくっきりと分かる足跡の二つがあった。


「....じゃあもし、この足跡が女の人のだとしたら....実在するってことになるよな?」


俺の問いに青山は緊張気味な顔を出しながら左右に振った。


「いいや、それはまだ分からねぇ。幽霊が物を触れるように、こうして足跡が着くのも有り得るかもしれんしな。」