恐怖の渦の中


入ってすぐ右斜め先には二階へ続く階段が見え、階段の横に廊下、玄関に入ってすぐに左右に廊下、いわゆるTの廊下が並んでいる。

目の前廊下には食卓が見えて、左右はドアが閉まっていてどうなっているかは把握出来なかった。


「なにこのホコリ....鬱陶しいんだけど。」


「仕方ねぇだろ?六年も放置されてたんだ。だから服はそんな着飾らなければいいのにな。」


吉永は悪態を吐き、出来るだけ吸わないように手で抑えていた。

チラッと横を見ると、野宮さんの手は拳銃の方へと移っていた。何かがあったらすぐに対応出来るようにだった。だが、坂目さんはその事には気が回らず、ずっと周りをキョロキョロとしていた。


「なぁ栄治君。君達は何を探している?協力して欲しいなら教えてくれないかな?」


野宮さんは周りを警戒しながら聞いてきた。


「....この家の事、ここに住んでいた人間の事を知ることが出来るものです。」


「それなら情報は割れているぞ?ここにいた夫婦はただの」


「死んだ女の人は?その人に素性も知ってるんですか?」


俺の質問に野宮さんは沈黙で答えた。


「死んだ女の人のこと、そしてその素性も知らない女の人と住んでいた夫婦も改めて知りたいんです。」