「そ、それは....」


「あぁ、答えなくていいよ。もう知ってるし〜」


「え!?ちょ、ほ、ほほほほ本当ですか!?え!?嘘....」


加奈は恥ずかしいのか分からないが、凄い慌てて吉永に迫った。
吉永は加奈をひらりとかわして、笑みを浮かべた。


「大丈夫だって。別に喋ることじゃないし。」


加奈が参加している理由は分からないが、吉永に煽られた反応で俺達も自然と笑いがこぼれた。
だが、加奈を何故か毛嫌いしている青山はため息を吐きながら吉永に尋ねた。


「おい吉永。これからすることの重大さ分かってんのか?もっと緊張感持てよな。」


青山の言葉で場はしらけてしまったが、吉永はいつもみたいにムキにはならず、笑顔のまま答えた。


「だってこの村来てから皆顔が険しすぎるんだもん。そんなんじゃあやれることも出来ないんじゃないの?
ほら、学校の先生も「適度な緊張感が丁度いい」って言うじゃん。」


「そうだな確かにその通りだ。ありがとう。吉永さん...だったよね?」


野宮さんがお礼を言うと吉永は顔を赤くして、照れながら何故かお辞儀をした。

青山は何か言いたげだったが、納得したのかそのまま黙っていた。


「だけどよ、屋敷ってどこなんだ?そもそもこんな所にあんのかな?」