俺の朝は基本早い。七時半少し過ぎには学校へ着くようにし、教室に入ると誰もいない空間で読書をする。家でゆっくり読めばいいと思うが、家の中では他にやりたい事がある。

登校の時には敦は一緒ではない。入学当時は一緒ではあったが、あいつが寝坊したせいで何度か先生に怒られるハメになった事があり、今では登校は俺が朝早く行き敦が馬鹿を見るという感じだ。

こんな学校生活が何百日も続いているので、朝の学校の変化が良くわかる。

例えばグランドを見ると朝早くからサッカー部が練習をしている。恐らく大会が近いのだろう....
すぐ外にある木下を見ると綺麗なコンクリートが見える。昨日の掃除当番はしっかりとした生徒がやったのだろう....

そんな事を頭の端で考えながら俺は読書を楽しんだ。その内ゾロゾロとクラスメイトが教室へ入ってきた。教室の時計を見るとあまり時間は経ってはいない。明日の学園祭のことも影響しているか分からないが、いつもは遅く来る生徒も見かけられた。


俺はそれをあまり気にせず、すぐに読書へ戻った。少しいつもと違って朝から賑やかだったが、俺の耳にはその雑音はあまり入ってこなかった。


それから数十分後にあくびをして頭を掻きながら教室へ入ってきた。それを確認すると本をゆっくりと閉じた。