前のような視線を感じるような感覚は無くなったし、不可解な現象も無くなった。
今まで嬉しいことはいっぱいあったが、ここまで日常が有難いと思ったことは無い。親や友人に言ったら気味が悪いと言われそうで言えなかった恐怖が消えた。

自分が安全と今感じてきた。ふと、すぐ上に視線を向けると、半分破り捨ててあるカレンダーがぶら下がっていた。明後日の日にちには赤い文字で"学園祭"とデカデカと書いてあった。

一瞬血かと思いゾワっとしたが、マジックで書いてあって安堵のため息を漏らす。


学園祭...とても楽しみにしていた行事。アレを見るようになる前までは猿のようにはしゃいでいたのを思い出す。だが、アレを見ている内はそんな事を考えれる暇は無かった。


学園祭....朝起きた時までにアレが居なかったら、学校行こうかな...


時間を見ると夜の七時。少し早いが数十時間アレが姿を表さないかと緊迫状態が続いたので、疲れは出ていたのですぐに寝ることにした。

布団にゆっくり入ると意識がスグに遠のいていく。私は完全に意識が消える直前までアレが再び姿を現さないことを願った。