恐怖の渦の中


「な、なんでですかね?」


加奈の言葉に青山は眉間に皺を寄せ、睨みつけるが、萎縮した加奈を見ると周りに向かって話し始めた。


「政府の人間が来たってことはそれなりにでかいヤマってことだ。つまり、早急に対応するために派遣されたのに六年間ずっと警備なんて...そこまで暇なヤツはいないだろ。」


「そうだな。じゃあ侵入については大丈夫ってことか....
場所は闇住人に聞くとして....

誰か屋敷に行きたくないやつはいるか?別に止めようとはしない。屋敷はぶっちゃけ未知数の場所だから何が起こってもおかしくない。」


数秒間沈黙が訪れ、吉永が口を開く。


「私は行くよ。私は理沙を殺した女の人を知るために行動してる。なら....行かないわけにはいかないでしょ。」


さっきまでの子供っぽい感じを無くし、吉永は冷たく、覚悟を持って言った気がする。
それに続いて加奈も


「わ、私だって!み、皆さんの役に立ちたい!...私も行きます。」


青山と長富は目線を合わせるとこくりと頷いてくれた。
俺は確かに心がひとつになった気がして、自然と微笑んだ。


「よし!じゃあ闇住人に場所を聞こう。んで話すのは俺だけってことでいいか?」