俺は二人の方を視線を向けた。二人とも緊迫とした表情で一回頷いた。


「で、でも、俺が月璃が飛び降りさせた犯人みたいな感じで思うのは的外れだぞ?俺は関わり持ってないし、嘘っぽいって思うだろうけど...本当なんだよ!」


「長富....犯人探しなんてしてない。犯人は既に分かってるし、それよりももっと重要なんだ。お前の命がかかっている。」


長富は更に顔を青く染めた。さっきの月璃の光景で、自分の命の見方が無意識に変わったのだろう。"命がかかっている"というワードに反応していたからだ。
恐らく、今の状況は友達同士の"死ね"も、軽く済まされないだろう。


「ど、どういうことだよ?」


俺は女の人の事について分かることは全て話した。ここで長富を協力させなければ闇住人に会うことも出来ないし、女の人の負の連鎖を断ち切ることも出来ないのだから。



話を聞き終えた長富は疑っている表情をしているが、青ざめていた。


「....冗談だろ?笑えないぞ...」


「冗談なんて言ってない。現に理沙が死体を目撃してから丁度一週間後に有り得ない死に方をした。そしてその一週間後には千恵だ。死因の詳細は先生自体も聞かされてないが、理沙と全く同じ死に方、理沙が見た死体も同じ死に方だ。」


「な、なんでそんな事が分かるんだ?」