恐怖の渦の中


まだ知らなかったのか、教室がザワザワってした。そのせいか、誰が対象者っぽいのかが見分けがつきにくかった。
席が空いていたのは理沙、千恵、敦が座るべきはずだったところだ。


「笹井さんは自宅で亡くなっていて、両親が見つけたらしいです。詳しくは聞けませんでしたが、恐らく自殺と思います。
笹井さんはクラスの為に貢献してくれました。私達教師にとっても頼りにしていました。

....矢野さんの死がショックだったんでしょう。皆さんもあの時居ましたが、これだけは聞いてください。決して一人で抱え込まないでください。悩み事があるなら遠慮なく先生や、カウンセラーの先生に言ってください。

矢野さんの事件の事は簡単に頭から離れさせるのは無理です。ですが、皆さん....死を選ぶ選択だけは...やめてください。」


津地先生は涙ながらも言葉を発した。クラスのざわめきがより大きくなっていく。混乱して頭を抱える人、友達と顔を真っ青にして話している人、ガタガタ身体を震わせて涙を浮かべる人など、様々な反応が見られた。

そのまま津地先生は暗いトーンのまま今日の予定を話終えると、静一先生と共に教室を去った。
先生がいなくなることでクラスメイトのざわめきはより大きくなった。

俺と青山、そして加奈は注意深く対象者を探したが、ざわめきがあるこの教室で対象者を見つけることは難しかった。