だが、俺は耐え抜いた。やつの言葉に耳を貸さずに必死に耐えた。どのくらいかは必死でわからないが、女の人は俺の目の前から姿を消した。そこからはずっと緊迫状態が続いたが、今になっても女の人は現れない。」
和一先生は床からベットの方へ視線を動かした。俺が千恵を運んであげたベットだ。
「あの女の人に勝つ方法は"耐え抜く""屈しない力"だ。女の人の甘い言葉に身を委ねた奴は死、耳を貸さない奴は生きるんだ。笹井さんは恐らく屈してしまったのだろう。俺も一歩間違えてたら身をゆだねてしまっていた。
笹井さんには「決して屈するな。頑張れ。」っと伝えた。この言葉の意味は実際受けている者にしか分からない。だからこそ、その言葉にすがって耐えてくれると思っていた....だが、無理だった。」
「...じゃあ、あなたがこの学校へ来た理由は....」
「あぁ。矢野さんの死に方は、俺が目撃した男の死に方と似ていた。もしかしたらと思って、カウンセラーとしてここへ来たんだ。
俺は感じた。女の人に屈服しない人が現れない限り殺戮は続くと...」
「....俺達は必死なって対策を探していた。なのに....対策法が"耐えろ"?そんな馬鹿な話があるものか!俺は信じられない!!」
俺は生徒という立場にいながら、先生に暴言を吐くと、勢いのまま保健室を出た。
強い足取りで教室へ向かった。
ただ耐えるだけで助かる、そんな筈はない。



