だが同時に、闇住人に行き着くまでに色々と手を尽くしたのに、こんなに近くに答えがあることに怒りを感じた。
「なんなんですかその方法は!どうすれば千恵は死ななく済んだんですか!実際死んだのに....なんで!」
「それは...笹井さんは女の人に負けたのだろう....勝っていれば生きれていたはず。」
「なんなんですか!勝ち負けなんて....それより、なんであなたはそんな事を知ってるんですか!全て教えて下さい!」
和一先生は目を瞑って黙った。だが黙り込むことではないということは分かった。目を瞑りながらも汗を流した。心の整理をしていることは理解出来た。
「.......もう思い出したくない記憶だ。....俺は...あの女の人の対象者だったんだ....」
「....え?」
「今から六年前のある一週間は、忘れたくても忘れられない悪魔のような一週間だった。
初日は夜間の住宅街で車運転していた時だ。急にパジャマ姿の男が出てきたもんで、窓を開けて怒鳴り散らそうとしたんだが、その直前に男は頭から大量の血を吹き出して倒れた。
即死なのは分かっていたが、すぐに救急車を呼んだよ。電話している最中に見たんだ。死んで横たわる男の後に立って、こちらに顔を向けている女の人を。」
和一先生は両手を握り、ブルブルと震わさせた。



