恐怖の渦の中



そう言うと和一先生は俺の手を掴み、無理矢理保健室へ向かって歩き出した。


「痛っ!ちょ、理由を言ってくださいよ先生!別にここでもいいでしょうよ!」


俺の言葉が全く耳に入っていないのか、息を切らせながら足を遅らせることも、こちらを振り向くこともしなかった。

保健室へ着くとようやく手を離してくれた。中には誰もいなく、俺と先生の二人っきりの状態が出来上がった。
俺は変な意味で嫌な予感がしてならなかった。
だが俺の予感とは裏腹に、和一先生は椅子に腰をかけた。


「ハァハァ、栄治君。俺は君に...謝らないといけないことがある。」


「謝らないといけないこと?何ですか?それは....」


「以前君とここで話したこと...あの時は何も言わなかったが、本当は....知ってたんだ。笹井さんと栄治君の身に何が起こっているのかを....」


「え?それって」


保健室のドアが勢いよく開いた。そこには青山と息を切らして床に視線を向けている加奈の姿があった。


「き、君達はさっさと教室へ戻っていてくれ!栄治君とは大事な話があるんだ!」


そう言って追い出そうとしたが、青山は言い返すのではなく、スマホを取り出してこちらに見せてきた。
画面にはこの学校の廊下に似ている廊下と、中心には大きな三角形があった。