「...矢野さんのお母さんの言う通り...知りたくないなら教えなくていいから....か、顔だけでも見に行きませんか?...」


「あのな?さっきの話聞いていたか?今はな?一刻も早く頭を」


「き、きき聞いてました!......だけど...い、行きませんか?」


加奈の引き手だが強引の矛盾とした態度に呆れを感じ、肩が重くなるのを感じながらも加奈と向き合った。


「なんでそこまで吉永の所へ行きたいんだ?早く解決したいと思わないの?」


「か、解決はしたい!...今苦しんでるクラスメイトをた、助けたいし...これからも犠牲者は...出て欲しくない...」


「だったら...なんでだ?」


「...よ、吉永さん...きっと一生後悔すると思う...し、親友に殴られて...気を失って...目を覚ましたら親友が亡くなってて...え、えっと、矢野さんを助けられなかったから...く、苦しんでると思ってる...
だ、だから...その......わ、私は!!!
...苦しんでる人を無視することは...で、出来ない。情報を持ってるか持ってないかじゃなくて.......行くことに意味が...あると思います。」


加奈は相変わらず視線は斜め下、両手を腹辺りでギュッと拳を作っていた。プルプルと極寒の地にいるように身体を震わせ、言葉を詰まらせて言ってくる。