「西条君なにしてんの?明後日学園祭だよ!?そんな呑気に帰っている暇何て無いの。もし用事があるなら言いなさい。
出番は裏方であんまり無いけど、クラス一丸にならないといけないの。」
「用事か.......ちょっと家庭のじ」
「考え込んでる時点で嘘ってのはバレっバレだからね!あと学園祭は二回しか経験出来ないんだよ!?ちょっとは意識してよ!」
千恵はまるで絵に描いたような委員長のように意識が高く、このような行事が来るとその性格がフルに発動される。しかも明後日は学園祭で今日まででも結構厳しかったが、明後日に控えるだけあってラストスパートを掛けたいらしい。
「んなこと言ったってもう何十回も通したぞ?俺は裏方なんだし明日のリハーサルの時すればいいじゃないのか?」
「皆頑張ってるのに何勝手なこと言ってるの?さぁ。さっさとやるよ。」
千恵は俺の手を無理矢理引っ張って、教室のドアから引っペがした。
「何呑気に寝てるの本澤君!さぁ皆!残りの放課後時間まで明後日に向けて練習頑張ろ!」
敦は千恵の声と頭を叩かれた痛みでうめき声を上げながらゆっくりと顔を上げた。
クラスメイトは千恵の声から数秒後にザワザワと動き始めた。だが、その動きは学園祭へ向けて頑張るという気迫は感じられず、何処か疲れていてイヤイヤという感じだった。



