青山がいなくなったことで、悪くなった雰囲気がそのまま抜かれた気がして大きくため息を吐いた。


「....なぁ、加奈。青山とはいつもあんな感じなのか?」


「う、うん。話し掛けた事はあるんだけど...いつも睨まれたりとか...されちゃうんだよね...」


「お前、青山に何かしたんじゃないのか?あんな態度を取るのは普通じゃあ有り得ないんじゃないか?」


俺が疑い掛けてみると、加奈は首をブンブン横に振り、焦った表情で否定した。


「そ、そんなことして無いよ。青山君とは高校からだし、喋る機会も全然ないし...」


「そうか...じゃあ、何か手掛かりないか探してみるか。」


「で、でも...青山君はもう無いって」


「もしかしたらあるかもしれないだろ?少しでも可能性あるなら探そう。」


俺は勉強机を中心に教科書や引き出しの中を調べた。数秒後からは後ろから物音がする。加奈が俺に続いて探しているのが見なくても理解出来た。
だが、青山の言う通り期待出来るものは一つとして見つからなかった。部屋の隅から隅まで見てみたのだが、手掛かりの"て"の文字すら出てこなかった。もしかしたら、あったとしても警察が何かしら手を加えたかもしれない。