「これは完璧に違う人物だ。矢野が見つけた女の人の死体、こいつはもう前から調べていた。そいつは矢野と笹井の言う女の人とは似ても似つかない。短髪だったし、金髪に染めていた。少なくとも、死体の時はだがな。」
そうなると理沙が見つけた人は完璧に被害者の位置で確実だった。そこで俺はある事に気付いて、ハッとする。
「なら、その金髪の人も呪いの対象って事だよな?それに山から突然出てくることも可笑しい...その山の事を調べれば、呪いの条件とか女の人について分かるんじゃないか?」
「そうだな...よし!俺は今すぐ帰って山の事とか金髪の人の事をよく調べてくる。お前らは闇サイトのやつから情報聞き出すことに専念しろ。」
「え?もう帰るの?ま、まだ手掛かりとかあるんじゃあ....」
青山は加奈に引き止められた途端、さっきの勢いは消え失せ、気まづい雰囲気を出し始めた。
「考えろよ。大変な状況でも日記に書いてたんだから、矢野は逆に日誌に夢中だったか、それしか発散することが出来ないんだろ?ならもう手掛かりなんざない。そんくらい馬鹿でも分かるだろ。」
青山はそれだけを言い残すと、さっさと 部屋を出ていってしまった。ドアを激しく閉めた音が響き渡り、俺と加奈はその音に硬直するしかなかった。



