――――――――――――――――――――
次のページをめくってみると、一文字も書かれていない真っ白なページが現れた。本来、あの時亡くならずに家に帰れた時に書けていたページだ。白いページ、これが亡くなった人にかけられる顔掛けに見えて、理沙が掛けている姿を思い浮かべてしまう。
この日記には女の人の影響力がどれ程のものなのか分かった。そしてその習性も理解出来た気がする。
「...女の人は一日づつ、確実に近付いてくる。そして五日目の夕方に消えて、七日目で殺しに来たって事だよな?」
隣にいた青山は静かにその日記を読み返していた。だが、緊張感は伝わっているのか大きく喉元を動かしていたりしている。
「千恵とほぼ一緒の傾向だ。俺は理沙が死んだ翌日から関わっているけど、やっぱり段々近付いてくるって千恵は言っていた。俺が最後にあいつの家に行った時は幻覚すら....だけど、その後から女の人の情報は無かった。
"いなくなった"っと言うことだけしか分からなかったんだ....」
「矢野さんの日記に書いてある、発見した女の人が...矢野さんと笹井さんを襲った人...なのかな?」
「いいや、それはないと思う。理沙は疑問形でまとめていた。いくら顔元が分からなくても、近くにいたら何となく分かるものだと思うぞ?」



