「案外遅い訪問ね。話をした翌日には来るかと思ったけど...」
「すいません。色々と訳があって....」
「そちらの二人は西条君のお友達?悪いけど、部屋見るのはちゃんとした理由がないと駄目よ。軽い気持ちで理沙の部屋を見せたくない。」
理沙の母親は弱々しい雰囲気を漂わせているのに関わらず、恐ろしく鋭い眼光で睨み付けてきた。
「...こいつらも俺と同じ理由で来てますし、協力者です。そんな安易な気持ちじゃありません。」
「そう....ならいいわ。ごめんね、睨みつけたりしちゃって。さぁ、理沙の部屋はこの奥の階段を上って突き当りにあるから、好きに見てって。だけど、私用事があるからいたとしても三十分だけにしてね。」
さっきとは違い、優しい口調に戻った様子を見てホッとする。お礼を言って、靴を丁寧に揃えて奥の階段を登ろうとする。そこで理沙の母親から声がかけられた。
「もしかして、西条君が言ってた苦しんでいる人って....笹井さん?」
理沙の母親は気まづそうな顔を作って話し掛けてくる。俺はその表情と、自分の中にある罪悪感で思わず視線を逸らした。
それを察したのか、理沙の母親からも言葉は出ずにしばらくの沈黙が漂う。
「......笹井さんは理沙と同じ死に方をしたの?」



