「メール送るんならさっさと送れ。早く矢野の家に行くぞ。元々その為にここへ来たんだ。時間が押してんだろ?ならさっさと動け!」
「お、おう。」
青山の切り替えが思ったより早く、少し戸惑いを見せてしまう。
「おい斐川!ちゃんと必要最低限のワードのメール送れよ!?もし相手が察して悪用したらタダじゃおかねえからな!」
「は、はい!」
まるで会社の上司と後輩のようなやり取りをしながら、俺達はさっさと支度を済ませた。
加奈は送ったメールを見せてきたが、特に引っかかる部分はなく、ホッと安堵の息を吐く。
理沙の家まで俺達は一言も言葉を交わさずに向かった。自転車ならもっと早くついたのだが、加奈一人置いてくのは気に止めるので三人揃って歩いて向かう。
数十分後にようやく理沙の家に着いた。他の家よりか少し立派に見え、家庭的には裕福だったと感じた。
庭も広く、花も飾ってあって緑が目立つ清潔感に溢れる家という印象が大きい。
インターホンのボタンを押すと、数秒後にはドアが開かれた。そこには理沙の母親の姿があり、俺達を見ると目を見開いたがすぐに理解したのか、俺達を家の中に入るよう誘った。
理沙の母親は葬式であった時よりも老けていて、髪がボサボサで衰弱しているのは一目瞭然だった。



