恐怖の渦の中


「いや、無かった。昨日もこれが気になって調べたが、警察官の名前すら無かった。恐らく、こんなコンピュータじゃなくて、紙に書かれた報告書には載ってるだろうがな。」


俺と青山は黙り込んで、必死に頭を回転させた。この事件は高確率で女の人と関わりがある。それにこの間の番組、あれが女の人の元ネタで、事件が関わりがあったとすれば、これまでにないヒントだ。場所や何があったのか、それを特定できるほどだ。決して無駄にはしたくなかった。

それにこれは六年前の記事、番組で取り上げられたものと酷似しているし、警察官が少なくとも二人死んでいることも話していたことを思い出した。

そこで一人、プルプルと震える手を上にあげた奴がいる。加奈だ。


「あ、あの...一つ提案なんですけど....」


「あ?なんだ?言っておくが、つまらねぇことを言うつもりなら最初から言うなよ。」


頭がいっぱいになっているのか、青山は珍しくキツく当たってくる。加奈はそれに気落としたが、すぐに立て直した。


「あ、あの...この記事の投稿者にメールを送るっていうのはどうですか?さっきの事件の話を含めば、は、反応はしてくれるのかもしれないし....それに、もしかしたら番組のやつはその人が提供したのかも....」