青山に貰ったUSBで画像の資料を展開し、それもチェックした。死んだ状態や環境、死因となるものが細かくチェックされていた。大量の文章に目がイカれるかと思っている中、ひとつのワードが引っかかった。
「...「脳だけが行方不明」?なんだそれは?」
それは矢野と笹井共通だった。「脳だけが行方不明」、矢野が死んだ後脳を取ったやつがいるということだ。だが、それなら指紋がつく筈だし、少なくともそれらしき痕跡が残るのは確実だ。
だが、記事を読んでもそういうことは書いていない。まるで、最初から脳が無かったような扱いだった。
俺は疑問にかられ記事を読んでいると、ふと千恵の事を思い出してしまう。千恵は死ぬ何日か前は普通にしていた。それはあの女の人が現れなかったからだ。
でも何故姿を見せないのかが分からない。ただ単純に出れなかったのか、意図的なのかも。そもそもあの女の人が千恵を殺すとしても、どうやってなのか分からない。どんな力が働いたらあんな無残な死を遂げてしまうのか。
理沙の死に方は千恵と同じ。理沙の死に際の映像が頭の中で再生され、千恵と置き換えてしまう。自然と怒りと恐怖、哀しみを抱き、俺はキーボードに打ち込むのをやめ、自然とキーボードの上で拳を作っていた。



