恐怖の渦の中



「いや、ある。お前は矢野さんの家を訪ねることを許されている。それにお前は俺と違って行動力がある。笹井の近くにいたのがいい例だ。」


青山は一息つけると、バックの中にパソコンを突っ込み、持ち上げながら立ち上がった。


「よし、明日お前の家に行くわ。」


「は?なんでだよ?」


「お前のネットで得たやつを見せてもらいたいし、矢野の家に行くぞ。彼女の部屋になにか手掛かりがあるかもしれないからな。
じゃあそういうことでよろしくな。」


俺の返答を聞く前に青山はガラスの向こうへと姿を消してしまった。
この数分の出来事で青山の印象が大分変わったと実感した。面と面を向き合って話をしてみると、他の人と変わらない普通のやつだと感じた。

数分後、俺は両親の迎えの車へ乗り込んで警察署を後にした。


その日の夜、俺は今まで検索してきたワードをもう一回見直して、何個か例としてURLを保存しておいた。明日は理沙の家に行く訳だが、電話も入れずに大丈夫かと少し不安になった。

明日は幸い家には誰もいなくなる。両親は二人で映画を朝から見に行き、真衣は友達の家に行くと言っていた。
誰にも怪しまれずに思う存分話すことが出来る。